ターコイズの言い伝え

 ペルシャ(現在のイラン)では、ターコイズに写りこんだ新月を見た人には幸運が訪れると信じられていた。実際、ターコイズは国を代表する宝石であり、王座から馬具にいたるまで、ほとんどすべての道具の飾りとして用いられた。真珠とルビーで装飾されたターコイズの印章は、高い地位の象徴であった。ターコイズはその色調を変えることによって、身につけている人に対して危険や病気を知らせるとも考えられていた。これは間違いではない。ターコイズは多孔質であるため、肌に触れていると、皮脂を吸収して色が変化することがあるからである。

ターコイズの歴史

ターコイズは、最も古くから採掘された鉱物である。たとえば、メソポタミアでB,C5000年に作られたターコイズのビーズが見つかっている。エジプト人はB,C4世紀頃には、シナイ半島からターコイズを採掘していた。ターコイズで装飾されたセソストリス2世(紀元前1800年頃)の胸当ては現在ニューヨークのメトロポリタン美術館に収蔵されている。ターコイズは含有されている鉄と銅の量により、ブルーからグリーンへと色調が変わる。自然結晶は希で、通常は塊状、あるいは微品質の皮殻状、ノジュール状、脈状で産出する。結晶が見える場合には、短柱状で長さ2mm以下である。ターコイズは二次鉱物として、主として乾燥気候で生成する。恐らく、浸透する雨水により、燐灰石と銅の硫化鉱物が溶かされ、ターコイズとして沈殿したものと考えられる。

ターコイズとアメリカ原住民

ターコイズを、アメリカ原住民を西暦1000年依頼、米国西南部の多くの場所で、採掘していてきた。ブエブロインディアンは、ターコイズを使ってビーズを作り、美しいネックレスやペンダントを作った。1853年メキシコの金属細工人が銀細工をナバホ族に対して最初に紹介をした。ナボホ族は、スペイン系アメリカ人のデザインをアメリカ原住民の伝統的なスタイルにつくり直した。1872年にズニ族はは銀細工をナバホ族から学んだ。ズニ族の作品の特徴は小さなターコイズの象嵌にあり、一方ナバホ族のものは浮き出し加工と大きなターコイズのカボッションを用いている点に特徴がある。

(連想)

アメリカ原住民は、ターコイズを色によって男性と女性に分けることがある。青は空を、大空は父を連想させるもので男性である。緑は大地を、大地は母を連想させるので女性である。