ターコイズの言い伝え
ペルシャ(現在のイラン)では、ターコイズに写りこんだ新月を見た人には幸運が訪れると信じられていた。実際、ターコイズは国を代表する宝石であり、王座から馬具にいたるまで、ほとんどすべての道具の飾りとして用いられた。真珠とルビーで装飾されたターコイズの印章は、高い地位の象徴であった。ターコイズはその色調を変えることによって、身につけている人に対して危険や病気を知らせるとも考えられていた。これは間違いではない。ターコイズは多孔質であるため、肌に触れていると、皮脂を吸収して色が変化することがあるからである。